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ミーン、ミーン。
「あっつぅ~」
窓の外から聞こえる蝉の声が
ますます7月の暑さを感じさせる。
私ゎうちわを仰ぎながら
隣で涼しそうな顔をしている
奈美を見る。
『まぁ、7月だしね。』
サラッと流された。
幼なじみの奈美は美人でクール。
いつも年上に見られるのが悩みらしい。
「ねぇ、奈美。この前の告白の返事、どうしたの?」
奈美はすごくモテる。
入学して3ヶ月。
もう何人に告白されてるんだろ。
そんな奈美とは正反対に、
私、川村愛はごく普通。
告白されたことなんてないし
付き合ったこともない。
『男に興味ない。』
私もそんなこと言ってみたい…。
そんなことを考えながら
奈美を横目で見た。
そう。
今日までは、ごく普通の私。
それがあんなに切なくて
愛しい恋をするなんて
思ってもなかったんだ。
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