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山奥の廃校のある教室に見知らぬ男性3人が椅子にくくりつけられ、それぞれ銃を前の男の頭に向けている。
AはBを、BはCを、CはAを。
それは綺麗な三角形だ。
制限時間が過ぎ3人共生きてたら時限爆弾が爆発。
生存者1人の時点で遠隔カメラごしで傍観してる監視員が爆弾を止める。
弾は1つ。生きられるのは3人のうち1人。
撃てば撃たれる、撃たなければ撃たれる。このまま3人生きてても死しか無い。
人生で一番永い時間を過ごす3人は汗だくで互いの様子をうかがっている。
死が近づいていく秒針の音が、自分の生きてる証の鼓動の音が、2人の乱れた息遣いが、この狭い空間を歪ませる。
どれだけの時間が経っただろうか。刻々とタイムリミットが近付く。
すると外からドーンという音が鳴り響いた。
殺気だっている僕らにはその音が起爆剤として十分な役割を果たした。
「パンッ!」 「パンッ!」
そっと目を開けると、他の2人は頭から血を流しぐったりしている。さっきまで聞こえていた乱れた息遣いがピタッと止まった。
「助かった…」
力の抜けた腕にはまだ銃口から煙が出てる銃が。
人を殺した罪悪感など微塵も感じられない。
コツッコツッ
廊下で足跡がゆっくり近づいてくる。
「オメデトウ。」
1人の男が拍手しながらゆっくり近づいてくる。
「監視員か?爆弾は止めたのか?!」
「爆弾?んなもんハナッからねぇよ。」
そう言いながら男はゆっくり血だらけで倒れている男の銃を手に取る。
「近付くな!近付くな!」
慌てふためく生存者。
「無駄に殺しあわなきゃ俺1人殺せたのにな。」
そう言って男は生存者にゆっくり銃口を向ける。
生存者は男に銃口を向け、何度も引き金を引く。
カチカチカチカチカチ
弾の入っていない銃は生存者の力になるわけもない。
男はニヤリと笑いトリガーを引く。
銃弾の音が山に響く。
3人は三角形を作ったまま椅子に座っている。
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