オマエナカナカヤルナ

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この時、初めて、俺は無意識に行動していたみたいだ。 何となくゴミに手を伸ばす。 タイミングよくチャイムが鳴る。 「あっ!私部活があるんだった!」 ボタンちゃん、あわてて駆け出す。 忘れないでほしいのは、俺とボタンちゃんは向き合っていたって事。 しゃがんだ俺。 駆け出すボタンちゃん。 『ムギュっ』 踏まれる俺・・・。 「キャァァ!ごめんね!」 俺を踏んずけたボタンちゃんは慌てて飛び退いた。 周りから大爆笑が。 どうやらずっと見られていたらしい・・・。 踏まれて笑われて。 やはりトホホだよ。 考えようが考えまいが、いつも空回り。 今日も必要以上に疲れたぜ。 でも、目の前で謝るボタンちゃんは、空回りから手に入れた宝物。 俺の人生、空回り。 でも、今からは、空回りに天然をプラスだ!! 「俺も好きになりました!」 大爆笑な周りは、俺の肩を「やったな」と言わんばかりに叩いていく。 ボタンちゃんは、ひとしきり謝った後、優しく微笑みかけてくれている。 な。 俺の高校生活、楽しいだろ?
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