は じまり

6/13
前へ
/35ページ
次へ
【クチエート村 酒場】 「好きな人捜してるんです!」 「は?」 「だから、好きな人捜してるんです! 塔我 恋ってぃぃます 知りませんか?」 酒場のオーナーであろう、髭が似合う燕尾服に似た服を着た男性。 「塔我…れん? 聞かねぇな… なんだい、嬢ちゃん追っかけか?」 「あー… ぇと 恋人捜してるんです」 「なぁんだ~…恋人か にしても、こんな可愛い嬢ちゃん置いて行く男なんて放っておきゃいいのに」 「ぁ、ぁはは… でも、大好きな人なんです だから… 会って話がしたいんです!」 「へぇ~ ぃぃ心構えじゃねーか 俺は情報は無いが、嬢ちゃんの事応援してるよ! 頑張れな」 「あ、はい!」 顔が怖いわりには、優しかった髭の男性に会釈をして… 私は酒場を後にした。 「此処でも情報はないなんて…」 クチエート村に来て… 何時間が経っただろうか? 村長に会い、港へ行き…広場に行き、酒場に行き… 正直 もぅ行く所なんてない。 「もぅ遅いし… 宿屋にでも行こうかなぁ…」 ベンチで腰を下ろしていた私は、その場に立ち上がり… 宿屋に向かった。 夕暮れ時の夕日は… 綺麗なオレンジ色で… ついつい私は魅入ってしまった。 そこに… 「おい、あんた…」 「え?」 すぐ後ろを振り替えると、知らない…のは勿論の事 黒い服を着た男性が立っていた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加