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【クチエート村 酒場】
「好きな人捜してるんです!」
「は?」
「だから、好きな人捜してるんです!
塔我 恋ってぃぃます
知りませんか?」
酒場のオーナーであろう、髭が似合う燕尾服に似た服を着た男性。
「塔我…れん?
聞かねぇな…
なんだい、嬢ちゃん追っかけか?」
「あー… ぇと
恋人捜してるんです」
「なぁんだ~…恋人か
にしても、こんな可愛い嬢ちゃん置いて行く男なんて放っておきゃいいのに」
「ぁ、ぁはは…
でも、大好きな人なんです
だから…
会って話がしたいんです!」
「へぇ~
ぃぃ心構えじゃねーか
俺は情報は無いが、嬢ちゃんの事応援してるよ!
頑張れな」
「あ、はい!」
顔が怖いわりには、優しかった髭の男性に会釈をして…
私は酒場を後にした。
「此処でも情報はないなんて…」
クチエート村に来て…
何時間が経っただろうか?
村長に会い、港へ行き…広場に行き、酒場に行き…
正直
もぅ行く所なんてない。
「もぅ遅いし…
宿屋にでも行こうかなぁ…」
ベンチで腰を下ろしていた私は、その場に立ち上がり…
宿屋に向かった。
夕暮れ時の夕日は…
綺麗なオレンジ色で…
ついつい私は魅入ってしまった。
そこに…
「おい、あんた…」
「え?」
すぐ後ろを振り替えると、知らない…のは勿論の事
黒い服を着た男性が立っていた。
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