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待ちに待った昼休み。
私は、お弁当を掻き込むように食べると、昨日の場所へと急いだ。
扉を開けると、そこにはもう既に先輩の姿。
「よぅ。来いっつっといて俺を待たせるなんざ良い度胸だなぁ?」
谷先輩は、私に気付くと口端を上げて笑いながらそう言った。
「仕方ないじゃないですか~。あたしは先輩みたいに授業サボってませんもん!」
これでも急いで来たんですよ?と、私は反論する。
それにまた、谷先輩が反論してきて。
だけど、最終的には先輩が、特別に、って言って許してくれた。
「先輩って実は優しいですよね」
「"実は"って何だよ?俺はいつでも優しいだろ?」
「あはは。自分で言っちゃダメですよ~」
昨日知り合ったばかりのはずなのに、私たちは、嘘みたいに打ち解けていた。
ふざけ合って、他愛もない会話をして。
谷先輩との距離が近付くにつれて、私の中で、先輩の存在はどんどん大きくなっていった。
To Be Continued..
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