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そのドキドキも、だんだん心地の良いものに変わってきて。
私の言葉に、短いながらも律義に返答してくれるのが嬉しかった。
2人で雑談を続けていると、6時間目の授業まで後5分だと告げる予鈴が鳴った。
「あ…もう行かなきゃ」
「あぁ」
「…ちょっと、寂しいですね…」
「あ?」
「えっ!?ぁ…イヤ…」
ほぼ無意識に言った言葉に、自分で驚く。
顔を赤くして慌てふためく私に、谷先輩は口角をあげて笑った。
「また、来いよ。ここに」
「良いんですか!?」
「俺が居るとは限らねーけど」
そんな素っ気ない言葉なのに、私は嬉しくなって頬が緩む。
「来ます!毎日来ますっ!」
「好きにしろよ」
「します!」
「…ッはは…変な奴…」
小さく吹き出して笑った先輩の笑顔に、私の胸は確かに高鳴った。
何かの始まりを、告げる様に…。
to be contined..
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