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「うぁああああ!!!」
「の、のびちゃん!落ち着いて!!」
「落ちる~!!!」
ホーキングほぼ初心者にとって、普通に操縦するのも難しいのに。さらに二人乗りになると難易度は増すのだ。」
すなわち、ちょっとでも気を抜くと暴走状態になってしまうのだ。
「ああ~。びっくりした。」
「もうすぐでマンションだから、頑張って。」
「…あ、う、うん。」
そう返事するものび太の顔は真っ赤でどことなく気恥かしそうだった。何しろノン子が落ちない様にのび太にしっかりくっついていたのだ。
そのおかげで、のび太の背中にノン子のわずかに膨らんだ胸は当たっていたのだ。しかも夏服なので、感触が伝わりやすいのだ。
「…。」
ノン子はと言うと少し複雑である。箒から落ちない事もあるが、もっとのび太にくっついていたい。その反面離れたい。今の自分は汗臭い上に、自分の小さな胸が当たっているのが何だか恥かしい。思えば、アメリカにいた頃からバスケのし過ぎで、同年代の女子より筋肉質である。下手すればのび太より強いかもしれない。そんな彼女が本気でのび太に抱きつけば、彼は悲鳴を上げるだろう。くっつきたい離れたい、そんな思いの狭間でのび太にとってはちょうど良い加減で抱きついていたのだ。
「…。」
ホーキングには集中力が必要で、ちょっとでも気を抜くと暴走してしまう。しかし、のび太の全集中力は、ノン子の胸が当たる背中に集まっているのだ。それ故に…。
「の、のびちゃん前、前!!」
「…へ?」
物凄い勢いで、ノン子のマンションの壁にぶつかったのだ。
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