骨川スネ夫の憂鬱

2/5
前へ
/26ページ
次へ
「あぁ~。暇だなぁ。」  数日前の歓迎会においてジャイアンリサイタル&シチューと精神的ダメージのコンボ攻撃により、スネ夫は生死の間を彷徨い、その結果入院を余儀なくされたのだ。 「しっかし、僕もツイてないな。入学早々入院だなんて。」  意識を取り戻したのは昨日の事。今は大事を取って身体を休めていて、明後日あたりには退院できそうだ。 「やぁ、スネ夫君。」 「こんにちわ。」  スネ夫を見舞いに出木杉と静香が病室に入ってきた。 「静香ちゃんに、出木杉。何?僕のお見舞いかい?」  実は、見舞いの来たのはスネ夫のママだけだったりする。 「うん。クラスを代表してお見舞いの来たんだよ。」 「私はその付き添い。」  出木杉はクラスの学級委員長で、仕事としてスネ夫の見舞いに来たのである。 「そうなんだ。ありがとう。」 「意識が戻ったって聞いてね。身体の方は大丈夫かい?」 「もうバッチリさ。明後日くらいには退院できそうだよ。」 「スネ夫さんが入院したって聞いた時は、のび太さんと武さん、もの凄く心配したわよ。」 「そっか。」  自分を心配してくれた友達にスネ夫は感謝していた。その内、一人は入院する原因を作った張本人であるが。 「それからスネ夫君が休んでいた時のノートのコピー。」 「ありがとう。助かるよ。」  出木杉のノートのコピーらしく、事細かく丁寧に書かれていた。 「それじゃ、僕らはこの辺で帰るよ。」 「え?もうちょっとゆっくりしていっても・・。」  実際、見舞いに来てから五分くらいしか経過していなかった。 「ごめん、これから用事があってね。」 「行きましょう、英才さん。」  そう言うと静香は、出木杉と腕を組む様な形で寄り添った。 「それじゃあね。」 「さようなら。」 「・・・。」  出木杉と静香は、そういうとスネ夫の病室を後にした。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

151人が本棚に入れています
本棚に追加