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「静香ちゃん・・・好きだ。」
小学校生活最後の日。のび太は憧れているガールフレンドに告白した。
その前日、彼は親友と別れた。
「のび太君。僕がいなくても、一人でやっていける?」
親友の名はドラえもん。未来の世界からのび太の運命を救いに来た猫型ロボット。
「馬鹿にするなよ、これからはちゃんとやっていくよ。」
彼の名は野比のび太。野比家の歴史上、否、人類史上最大の駄目人間。
「ちゃんと一人で起きられる?」
「そのために目覚まし時計を買ったの忘れたの?」
「宿題も忘れない?」
「家に帰ってから、すぐ宿題はするよ。」
「ジャイアンにいじめても泣かない?」
「いつまでも子供じゃないから泣かないよ。」
「それから・・・え~と。」
言いたい事ならいっぱいある。本当はのび太の世話をこれからもし続けたい。でも、これはのび太とドラえもんの約束。小学校を卒業する頃には、のび太は自立しよう。そのためには親友に甘えるはやめよう。そのためにドラえもんは未来の世界に帰ろう。二人でそう決めた。
「ドラえもん!」
「のび太君!」
二人は泣いた。一晩中泣いた。そして、のび太はいつのまにか眠っていた。目が覚めたら親友の姿もなく、机の引き出しのタイムマシンはなく、普通の引き出しとなっていた。
「・・・ドラえもん・・・行ってきます。」
今日は卒業式。今日からドラえもんはもういない。でも、ドラえもんが安心していられるように頑張ろう。その第一歩として、憧れの少女に告白しよう。自分の想いを伝えよう。自分のために・・・。親友のために・・・。
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