さよなら親友

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「静香ちゃん・・・好きだ。」  のび太の人生初の告白。勇気を出して言った告白。 「ごめんなさい。」  時間にして、1秒で断られた。それはもうすっぱりと躊躇いもなく。 「は、早!?」  受け入れてくれるなんて思ってなかった。が、あまりにも早すぎた。 「私、英才さんとつきあってるの。」 「英才さんって・・・出木杉!!?」 「そうよ、知らなかった?」  全く持って知らなかった。 「い、いつから?」 「去年の4月からよ。」 「うそぉ!!?」  そう言えば、最近彼女との付き合いが悪かったような。いつも出木杉と一緒・・・つーか、ラブラブ? 「私から告白したのよ。」 「げふ!!?」  思わず吐血した。 「そ、それから・・・キスも・・・。」  静香は真っ赤な顔して、イヤンイヤンと惚気ていた。 「キ、キスゥ?そ、それってチュウ?」 「接吻とも言うわね。」 「・・・。」  のび太は真っ白になっていた。つーか、魂らしき物体もはみ出ていた。 「あ、そろそろ・・・卒業式の時間ね。先に行くわ。」  真っ白になったのび太を放置した静香は教室に帰った。 「・・・。」  真っ白になったのび太に魂らしき物体が戻った。 「・・・。」  真っ白になったのび太に色が戻った。 「・・・。」  色が戻ったのび太は歩き始めた。 「・・・。」  歩き始めたのび太は加速し始めた。 「・・・。」  加速したのび太は、教室に戻らず校門にダッシュ。そして・・・。 「うぁああああん!!ドラえも~ん!!」  昨日別れたはずの親友を頼って家路に泣きながらダッシュする駄目人間。  野比のび太、小学校の卒業式を欠席。
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