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「自慢げに語っていますがね……貴女が味わった快楽には決定的に足りないものがあります!」
「何が足りないのよ? ちゃんとせ○しなら飲んだわよ!」
「飲ませてねーよ。話盛るな。」
真央に人差し指を突き付ける花音は非常にいい表情で言った。
「貴女の快楽には“痛み”が欠けています!」
…………は? というのが俺の正直な感想なわけだが、マゾヒストの方々には譲れない部分なんだろう。
「ご主人様にとって胸しか価値のない貴女にはわからないでしょうね、ご主人様にお尻を叩かれる。あの時の痛みがどれほど気持ち良いことか。」
「まるで経験があるみたいに言うのね。」
「ええ、ありますから。」
さらりと言ってのける花音に真央は目を見開くと、“嘘だよね?”とでも言いたげな目で見詰めてきた。
しかし俺は真央から目を逸らすしかない。
「ある時は登校途中に公衆トイレで、ある時は夜の公園で、またある時は授業中。お尻を叩かれ、全身を縛られ、下着の着用を許されない時もありました。」
おい、話盛るな。授業中とか有り得ねぇよ。
「本当に優れたモノならば、所有者は見せびらかしたくなるもの。ご主人様は家の中でしかあなたを愛せない……つまりあなたにはその程度の価値しかないのです。」
勝ち誇った笑みを浮かべる花音に、俯く真央。さっきと立場が逆転していた。
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