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ズキズキと後頭部に痛みを感じ、吉人は再び目を覚ました。
仰向けになっているらしく、目の前には木葉の隙間から覗く青空と、そこに浮かぶ薄い雲が見える。
口の中が切れているようで、鉄臭い血の味がした。
頭を押さえながら起き上がると、さっきの少女が目に入った。
怒らせたことを思い出し、吉人は少しドキリとしたが、少女は眠っていてすうすうと静かな寝息が聞こえる。
ほっと胸を撫で、吉人はさっきのことを考え始めた。
少女がどうしてあんなことを言ったのか、気になって仕方がないのだ。
問題の少女は、やっぱり頭に猫の耳がある。
座っているので尻尾は横に伸びていた。
吉人はそれが本物かどうか確かめたい衝動に駆られた。
とりあえずファッションなら、耳はカチューシャか何かだろうし、尻尾も引っ張ったら取れるはず。
さっきの「ただの人間」発言の真意も確かめるべく、吉人は少女のことを調べてみることにした。
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