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その後授業が始まる一分前に亜里亞は戻ってきて、終わったらまた教室を出て、始まる前には戻ってくるの繰り返しで、一日を終えた。
狩魔は往来と一緒に帰った。
「にしても、これからあの子どうすんだろうなぁ?」
「さぁな。なるようにしかならないだろ」
あくまで、冷たく返す狩魔。
「それはそうだけど!」
「つか、なんでそんな気にしてんの?惚れちまったか?」
そう笑いながら、ちゃかしたつもりの狩魔だったが、
「うん」
と肯定されてしまった。
「おいおい…、なんでまた?」
「だって、まずかわいいじゃん?
そんでクールじゃん?そしてあの目!あの人を見下した目が気に入った!!」
「おいおい、お前もしかして?」
「おう、ドMだ!」
「自分で言うな!つか、お前そんな趣味が…「それに!」」
「それに?まだなんかあんのか?」
他にも理由があんのか、と狩魔が聞いてみると、
「なんか、放っておけないんだよ」
「ふーん?」
そこで二人の会話は途切れた。
こりゃあ、相当マジだな。あの往来がねぇ。珍しいこともあるもんだ。
そんなことを考えていた狩魔だった。
狩魔と別れた後、往来は一人でトボトボと歩いていた。
(そう、なんかわかんないけど、本能的に放っておけないんだよな)
自分でもわからない感情にイラついた、往来であった。
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