日常

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とある町にある、とある高校で沢山の生徒が通っていた その中で一人の少年がいた 少年は眠そうな顔で目を擦りながら、学校を目指していた 「ねみぃ~」 少年の名前は柳狩魔(やなぎ かるま) 鍵山高校、一年A組の生徒だ 狩魔は今にも寝そうな足取りだった。 その後ろから、ドドドドという物凄い足音で誰かが近付いてきた その人物は狩魔の後ろから背中を叩こうと振りかぶったが、ヒョイと狩魔にあっさりよけられ、そのまま地面に鼻から突っ込んだ。 「いってー!」 その人物は叫びながら鼻を押さえる。 「狩魔!なぜよけた!?」 よっぽどこけたのが痛かったのか、その人物は鼻をさすっている。 「ん?あぁ、お前か。」 そう言いながら狩魔は欠伸(あくび)をかく。 「なーにがあぁ、お前か、だ!眠そうだったから背中を叩いて起こしてやろうと思ったのによけるなよ!」 そう言って、子どもみたいに地団駄を踏んだ。 「ガキかてめーは。それに誰も頼んでねーよ」 あくまでどうでもよさげな顔で斬って捨てる。 「なんだよそれ!つまんねーな」 そう言って、その人物は悲しげな顔で俯いた。 「俺にとってお前がいるだけで、眠気なんか醒めるから」 俯いたその人物に狩魔は優しく言ってあげた。 するとその人物はパッと顔を上げ、 「あ、やっぱ?」 と言い、ニヤリと笑った。 「やっぱそうだよな~!俺ら親友だもんな~!」 と、さっきとは打って変わって上機嫌になった。 狩魔はいつも通りだなと、呟く。 その人物の名前は橘往来(たちばな おうらい) 往来にとっては狩魔は親友と思っているが狩魔にとっては単なる悪友らしい。 現に往来は今まで数々の悪行をしてきた。 例えば入学早々、先輩十数名に絡まれたところ、一人で返り討ちにした。 そのことが原因で二週間の停学になった。 そして停学明け、あることが原因で狩魔と喧嘩になり、負け、それから狩魔と何度かやり合ったが負け続け、いつの間にか意気投合していた。 まったくもって意気投合しそうになさそうだが、それは後々語ることになる。
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