5人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、いよいよお出ましか!」
と、クラスの男子の期待が高まる。その証拠にみんな、ガヤガヤと話し始めた。
「おら!黙れって言ってんだろ!」
帝教諭がキレだした。みんな顔を見合わせて、『黙らなきゃ殺される!!』と野生の勘が働いたのか黙りだした。
「よーし、静かになったな!それじゃ入ってきな!」
帝教諭が手招きしたのを見て、一人の女子生徒が教室に入ってきた。
「自己紹介しな!」
帝教諭に言われ、その女子は一瞬下を向いた後、顔を前に向け、静かに語り出した。
「柳原亜里亞(やなぎはら ありあ)です」
皆が黙っていたせいか、狩魔にはその声が凛として聞こえた。
「というわけだ!みんな仲良くするように!」
それで自己紹介は終わりだというかのように無理やり終わらせた。
「んじゃあ、柳原は柳の隣な!」
狩魔の横を指差して、席に着くよう指示した。その前に、と一人の男子生徒が、
「先生~、質問タイムはないんですかぁ?」
と質問したが、帝教諭曰わく、
「んなもん後でやんな!」
とのこと。みんな心の中で文句はあったものの、殺されるのはイヤなので黙るしかなかった。
亞里亜は帝教諭に言われた通り、自分の席についた。
「んじゃ、終わりな!」
今さっきまで、HRをやると言っていたのにあっさり終わらせてしまったので、みんな拍子抜けした。
どこまでも適当な教師らしい。
最初のコメントを投稿しよう!