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「話聞いてた?晩御飯はカルボナーラがいい」
あまり感情を表さない顔で、彩音は見てきた。
「聞いていたとも。よし、カルボナーラだな?材料は有る………。ん?」
先程の彩音の言葉が、やっと頭に入り、認識された。
『父さん、明日の授業参観、来なくて良いからね』
「何言ってるの彩音さん」
なんか天国から地獄な気分です。カルボナーラは作るけど。
「行きますよ?お父さんは授業参観に行きます。その為に、明日は店を十二時半から十五時までを休憩時間にしたんですよ?」
店の窓に張り付けた紙を指差す。一週間程前から貼っている、【この日のこの時間に来ても、何も無いよ。つーか来るな】的な意味の事が記されたポスターだ。
「…だからさ、そんな事の為に店をほったらかさなくても良いでしょ?って話よ」
呆れた様に溜め息をつく我が娘。仕草が君の母とそっくりです。
「そんな事って何?俺にとっては一大イベントですよ。つうかね、今更だよ?明日の昼の客は限り無く0だよ?ポスター貼っちゃってたもんよ」
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