娘が冷たいです。特に視線が。

6/8
前へ
/75ページ
次へ
「ありがとう。ところであなた、とっても美人さんね。いつもこの時間に働いてるの?また来よっかな」 おかわりのお客さんは、笑顔で彩音に尋ねています。 ですよね、めちゃんこ美人ですよね。その質問も貴女が女性だから許せますが、男が言った日には血祭りですよ。 「美人なんかじゃないですよ」と苦笑いをした後、彩音は返事を返した。 「いえ、私、ここのマスターの娘なんです。いつもは他のバイトの人が働いてますが、今日はその人が急なお休みになってしまったので、変わりに私が。いつもは働いて無いです。でも、よろしければまた来てくださいね」 彩音はそう言うと、「ごゆっくりどうぞ」と笑顔を返し、こちらに帰ってきた。 そうです、普段彩音には店の手伝いはさせてません。理由は、男が彩音をその場で口説き始めるから。 一時期手伝いをさせていた事があるのですが、彩音目当てで豚どもがわんさかと来まして。そいつらにはもちろん制裁を下しましたが。 まあ、そんな天然魔性の女の子・彩音様に店の手伝いなんてさせる事が出来ない訳ですよ。 まあ、バイトの子達もモテますが、個性的過ぎる子達なので心配ないです。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

95人が本棚に入れています
本棚に追加