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(ありえねぇだろ? 遥さんよ……騙され易いのはどっちだっつ~の!)
オレはひとり、心の中でツッコミをいれた。
「あぁ、大丈夫。お金はいらないよ……。もし良かったらそこに腰掛けてくれぬか? お嬢さん……」
「……じゃあ……ちょっとダケ……」
(えぇぇぇぇぇっっ……!?)
更に軽くズッコける素振りを見せた……が、そんなオレの存在を無視して、遥は椅子に座ってしまう。
「お、おい! 遥!」
「いいんじゃない? 翔太。無料って言ってんだし……それに私、前から一度見て貰いたいと思ってたんだ……ちゃんとした占い師にさ」
遥は老人に対して、何の疑いも持っていないと言わんばかりの笑顔でオレを見つめた。
正直に言うと、オレは昔からこの屈託のない遥の笑顔に弱い。
大概の事はこの笑顔に負け、承諾してしまう。
「ったく……女って奴は買い物長いし、占い好きだし、おまけに《タダ》って言葉には超弱いのな……」
そう呟いてはみたものの、オレもちゃっかり遥の隣に腰を下ろしていた。
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