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中間テストが終わった事で、少し中だるみ的な空気が教室内に漂う中、睡魔と闘いつつも一日分の授業を終えたオレは、遥と一緒に駅前のショッピングモールへと向かった。
「ねぇ、最近何か面白い事あった?」
マクドナルドでシェイクを飲みながら遥が聞いてきた。
「面白い事かぁ……。面白くはないけど、今日の朝、易者のジジイに声かけられたぜ」
「え~。何それ?」
「う~ん。なんかなぁ、『お主、珍しい相をしておる』とかっつって呼び止められた」
「怪しい~。新手の詐欺っぽいね……それ」
「うん。だから速攻でバックれてきた」
「騙し易そうな顔してるからねぇ……翔太は。気を付けなさいよ」
世話好きのお姉ちゃんが弟を見るような視線を送る遥。
「うるせ! ほっとけっつ~の!」
「どうせまた、コンビニの駐車場抜けて学校行こうとしたんでしょ。大体、あんなトコ通る翔太がいけないの」
「馬っ鹿! あそこ通ると十分は違うの……。デカイだろ? 朝の十分は」
「う~ん……まぁねぇ……」
「だろ!? だからオレの最短コースにケチつけないの! 実際、フェンスルートで遅刻した事一回もないんだぜ」
そう言って得意気な顔をしたオレは、ちょうどコーラを飲みきった所で席を立つ。
「……さぁってと、ぼちぼち行くか?」
「うん。そだね」
遥とマクドナルドをでたオレは、この後、買い物に二時間以上付き合わされる事となる。
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