死針－悪夢－

👣終わりの始まり👣

麗は、高校卒業後、生まれ育った尾野居町に戻って大手会社のＯＬとして働いていた。
働きながら暇を見つけては『木下 千紗』の行方を探していた。そんな日々の中、遂にインターネット検索で気になる噂を見つけたのだろう。

４月２３日木曜日
午後６時過ぎ

拳聖は麗の住む家の近くの喫茶店で待ち合わせをした。
麗の仕事は午後５時までなのだが、一旦帰り、それから来るそうだ。

実に２年ぶりの再会となる。拳聖は３０分前に着いたので、周りを軽く歩いた。

春の陽気が暖かい。道路淵の草花も風に揺られ、春を喜んでいるようだ。拳聖は久し振りにゆったりとした時間を送れたなと思った。
「そろそろ行くかな」
拳聖は待ち合わせ場所の喫茶店に向かった。