2752人が本棚に入れています
本棚に追加
/526ページ
「この前は、ごめん…」
二度目の沈黙を破ったのは、葵君だった。
「無理やり…あんなことして…」
『……』
思い出して、顔が赤くなる。
…あわわわわ!
めっちゃ緊張してきた…!
「俺…何であんなことしたのか、自分でもわかんなかった」
『……』
ただひたすら床を見つめて、葵君の言葉を頭に入れる。
葵君は…あたしとキスしたことどう思ってるんだろう…?
「先輩は…」
首に手を当てて、葵君が困ったように話す。
「単純だしドジだしたまに意味不明なこと言うし…変な先輩だし…」
『ちょ、ちょっと…』
思わずツッコミを入れる。
「けど…」
ドキッ
葵君が上目遣いで見つめてきた。
やっ…やばいーっ!
慌てて視線をそらす。
「……」
黙り込む葵君。
シーンとする教室。
チラッと葵君を見た。
ドキドキッ
また視線が重なる。
そしてー…
「俺……」
最初のコメントを投稿しよう!