1.入学式

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「お前会場まで迷いそうだし」 「もう!ばかにして」 頬をふくらます。 恭平は「あはは」と笑いながら、私の歩幅に合わせて一緒に歩く。 恭平とは、幼なじみ。 私が小学3年の時に転校してから、中学も高校も大学も一緒になった。 「ね、本当にこの大学でよかったの?恭平ならもっと上の大学行けたのに」 恭平は短い茶髪で髪を立てている。 左耳には小さいリングのピアス。 まぁ、高校のときからこんな感じだけど…。 おまけに背も高くて、よく怖がられてしまう。 「いいんだよ。別に勉強したくねぇし」 口ではそう言ってるものの、恭平は高校でずっとトップだった。 ──変なの、と思いながら会場に向かう。
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