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「お前会場まで迷いそうだし」
「もう!ばかにして」
頬をふくらます。
恭平は「あはは」と笑いながら、私の歩幅に合わせて一緒に歩く。
恭平とは、幼なじみ。
私が小学3年の時に転校してから、中学も高校も大学も一緒になった。
「ね、本当にこの大学でよかったの?恭平ならもっと上の大学行けたのに」
恭平は短い茶髪で髪を立てている。
左耳には小さいリングのピアス。
まぁ、高校のときからこんな感じだけど…。
おまけに背も高くて、よく怖がられてしまう。
「いいんだよ。別に勉強したくねぇし」
口ではそう言ってるものの、恭平は高校でずっとトップだった。
──変なの、と思いながら会場に向かう。
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