40.ずっと、傍にいて

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「っ!嫌いになんか…!」 恭平はそこまで言うけれど、ぐっと言いかけた言葉を飲み込んだ。 その先を、言おうとはしない。 ズキ……ッ! 痛い…苦しい。 ねぇ、私たちはこんなにも遠い存在になってしまったの? いつから? 私が、“恋”をしたから……? 恭平は険しい表情のまま、また顔を横に向ける。 「俺は…俺は、お前が辛い時も危険な目に遭っている時も、いつだって肝心な時に傍にいられなかった。 お前を守れなかった。 だから、俺はお前にふさわしくなんかな…」 「違うよ…!恭平はいつだって守ってくれた! 私はいつだって守られてたの…。 千架とのときも、大学で男の人に襲われたときも…!」 そう言った瞬間 やっと、恭平と目が合った。 驚いて目を見開いて、私を見つめている。 「小泉さんに聞いたの。 ごめんね、私、何も知らなくて…。 何も知らずに、ずっと…!」 きゅっと、服を掴む力が強くなる。 だめ。涙が溢れそう。 私は目を閉じて、ただ込み上げてくる思いを抑えるのが精一杯だった。 「…“言うな”って、あれ程言ったのにな」 恭平はため息をついて、少しだけ笑った。
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