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「きょ…」
「──でもな、海。
俺はお前を守るには力不足なんだよ。
中3の千架の時だって…
いつだってそれを思い知らされてた」
「恭平は…!恭平は、“約束”を守ってくれた!
“必ず戻ってくる”って言って、ちゃんと来てくれたじゃない…!」
どうして?
そんな切ない顔をしないで。
ねぇどうして、いつだってあなたは“自分が悪い”って、全てを背負い込んで責め続けているの?
「私は…私は、あのとき恭平がくれた“約束”に救われてたの…!
だから、あのとき来てくれて本当に嬉しかった。
私にはそれだけで十分だったの…。
ずっとずっと、恭平のこと信じてたから…っ」
もう、涙が溢れて止まらない。
何度拭っても体の奥から込み上げてくる。
うまく言えてるかな。
伝えたいことがありすぎて、いざ話そうとしても順序良く伝えられない。
だけど、もう……
「私ね、ただ恭平を守りたかった。
“芹沢”からあなたを守りたかった。
だって…恭平は、私にとってすごく大切な人だから…っ」
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