40.ずっと、傍にいて

6/10
前へ
/786ページ
次へ
「きょ…」 「──でもな、海。 俺はお前を守るには力不足なんだよ。 中3の千架の時だって… いつだってそれを思い知らされてた」 「恭平は…!恭平は、“約束”を守ってくれた! “必ず戻ってくる”って言って、ちゃんと来てくれたじゃない…!」 どうして? そんな切ない顔をしないで。 ねぇどうして、いつだってあなたは“自分が悪い”って、全てを背負い込んで責め続けているの? 「私は…私は、あのとき恭平がくれた“約束”に救われてたの…! だから、あのとき来てくれて本当に嬉しかった。 私にはそれだけで十分だったの…。 ずっとずっと、恭平のこと信じてたから…っ」 もう、涙が溢れて止まらない。 何度拭っても体の奥から込み上げてくる。 うまく言えてるかな。 伝えたいことがありすぎて、いざ話そうとしても順序良く伝えられない。 だけど、もう…… 「私ね、ただ恭平を守りたかった。 “芹沢”からあなたを守りたかった。 だって…恭平は、私にとってすごく大切な人だから…っ」
/786ページ

最初のコメントを投稿しよう!

817人が本棚に入れています
本棚に追加