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……いつのまにか空は光溢れて
水面にキラキラと輝いて
風が、そっと私たちを揺らした。
私たちは並んでベンチに腰掛けて、その綺麗な朝日をずっと見ていたの。
私は恭平の肩に頭を傾けて
恭平は、後ろから腕を回して私の頭を撫でて、引き寄せてくれた。
いつかの公園のときみたいに、私はそのまま深い眠りについた。
あの頃の私が泣いてる。
弱い、15歳の私。
ねぇ、もう大丈夫だよ。
あなたはいつだって1人じゃなかった。
だからもう泣かないで。
1人で全部抱え込まないで。
…ようやく枷が外れたの。
もう、溺れていくだけの人魚姫じゃない。
強くならなくちゃ。
もう、1人じゃない。
大切な人が、ずっと傍にいるのだから。
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