行く旅の先へ

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《ドンッ》 「うわっ」 またも、後ろから小さな衝撃を受ける。 声を上げたその人物はまだ子どもで、転びそうになりながらも俺の横で何とか体勢を整えた。 「悪い、大丈夫か?」 その声に顔を上げたのは男の子だった。 まだ小学校低学年くらいか。 「ううん、僕が悪かったんだ。よそ見して走ってたから。 …兄ちゃん、よそから来たの?」 男の子は俺の目をじっと見る。 「あぁ…よくわかったな」 「だってこの辺で見ないもん!そんな茶色い髪も!」 そう言って俺の髪を指差す。 嬉しそうに、目をキラキラ輝かせながら。 「ははっ。それもそうだな」 俺は男の子の髪をくしゃくしゃと撫でた。 「お前、名前何て言うんだ?」 「カイト!かっこいい名前でしょ? “海の都”って書くんだ!」 「……!」 男の子は嬉しそうにニッと笑った。 「兄ちゃん旅人なの? だったら僕の家に泊まりにきなよ!!」
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