星の砂

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その日、ユウキはいつもと変わらず授業が終わってから部活に行くために教室を飛び出した。 下駄箱で靴にかえていると、後ろには美和子がいた。 「今から部活?」 『当たり前だろ!(笑)俺が帰宅部とかなるわけないじゃん。美和子も部活?』 「ううん、今日は休みだから帰るんだ。ユウキ部活頑張ってね。」 『おう!頑張るわっ!おっそういえばお前にこれあげるわっ。ほいっ。』 と美和子に投げたのは二か月前に行った沖縄の修学旅行で買った『星の砂のキーホルダー』だ。 「え!?なにこれ?くれるの?」 『しゃね~でやるよ。入学当初の研修旅行でみた希望ヶ丘の星空が忘れられなくてさ。沖縄にしかない星の砂のキーホルダー欲しかったんだ。お前と一緒に見たから、お前の分もと思ってよ。』 「ほんとにっ!?ありがとう。うれしいよ。ありがとう。めちゃめちゃ大事にする!!」 『大事にしろよっ!ならもういくぜ!美和子の会話してると時間がもったいないわ(笑)』 「最低っ!せっかくありがとう言ったのに!」 『ならな。』 「うん。部活頑張って!』 ユウキの背中はいつもよりも大きくみえた…
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