第一話

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「リカ!早く起きろ!遅刻するぞ!!」 遠くでアタシを呼ぶ声がする。 せっかく気持ち良く寝てるのに…。 「早く起きろ!!」 ガバッと布団を剥ぐ。 「寒いー!アキラの馬鹿!」 「やっと起きたか。目覚めの悪いお姫様ですこと。」 アキラが冗談っぽく言う。 「五月蝿い!せっかく気持ち良く寝てたのに。アキラのせいで目覚めが最悪じゃんか。」 文句を言いながら枕をアキラ目掛けて投げてみる。 「んだと?朝に弱いリカのためを思って、せっかく遅刻しないように起こしに来てやってるのに。」 投げた枕を簡単にキャッチして投げ返す。 アタシとアキラの毎朝の光景。 「リカっ!アキラくんっ!急がないと遅刻するわよ!!」 下からお母さんの叫ぶ声がする。 「やばっ!アキラのせいで遅刻しちゃうじゃん。」 アキラが部屋にいるのにお構い無しで制服に着替える。 「俺のせいじゃないだろ。どちらかと言えば……つうか、お前さぁ俺だって一応、男なんですけど。」 .
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