第二話

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  ここは恐怖の、いやいや最凶の、……麗しの魔王様のお城にある地下の牢屋の一室。殺風景だし、お隣さんは骸骨だし、お向かいさんはミイラだし。死の予感がザクザク突き刺さります。 あの後、何故か拉致されここに入れられた訳だ。 ……なんで?   「……まおーたま」   「気持ち悪い。普通に話せ」   ユーモアの分からん奴だ。   「なんで俺を拉致したんだ?」   「ん。気分だ」   うわ~……。   「てめ、ちょっとパパとママをお呼び。落ちてる物を拾っちゃ駄目と教えなさいと説教してやる!!拾っても警察に届けるのが常識だとも!!」   俺が拾った財布に入っている諭吉さんと漱石さんは俺のポケットに引っ越したりしていたが、財布はしっかり届けている。   「言ってる意味がわからんが、パパとママは今旅行中だ。なんでも肌にいい混血風呂巡りツアーがペアで当たったようでな」   私も行きたかったのに、とぼやく馬鹿魔王はほっていて。 さてさて、これは本格的にやべーです。
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