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茜に染まる街。
そこから少し離れた場所にある孤児院には良くも悪くも普通な男の子が居る。
華美 朔。18、彼女無し。
灰色の髪と縁の黒いめがねが印象に残る程度の本当に普通な男の子だが、彼は少しだけ、普通じゃないところがある。朔は茜空を眺め、最後のコーヒーを飲んでいた。
「……そろそろか……。」
彼がそう口にした途端、彼の四方上下を不可解な陣が囲む。
常識を超えた現象に、彼はため息を吐く。
「はぁ~……いっちょ頑張りますか……めんどくさいけど。」
言い終わると彼と陣は一瞬にして消えた。彼が最後に残した言葉は酷く不格好だった。
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