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廉「捺止めとけや。嫌がっとるやろうが」
何と割って入って来たのは相変わらずベンチに暇そうな顔で空を仰ぎ見ながらくわえ煙草をして居る廉だった。
捺「すまん……嶽もすまん」
捺は素直に廉の言葉を聞き反省した様な顔で申し訳なさそうに廉と嶽に謝った。
嶽「もうええよ。わしの気が向いたら話たるよ……廉おおきに」
廉「別に何もしてへんやろ」
余程暇なのか相変わらず暇そうな顔で嶽に覇気の欠けらも無い声で返事を返した。
廉「そない事よりおもろい事探せや。暇過ぎて死んでまうわ」
捺「そない事言うてもなあ。秀」
‐ブオン ブオ ブオ ブオン‐
五月蝿い位のバイク音を鳴らしながら廉達が居る公園内に複数のバイクが向かって来ている。
秀「おもしれえ事になるかもな」
嶽「にへへへへ」
捺「嶽。それキモいで」
面白そうな展開になる事を期待した嶽は気持ち悪い位テンションが上がっていた。言うまでもなく暇そうだった顔もにやけた顔に変わっている嶽であった。
‐ブオオン ブオン ブオ ブオ ブオ‐
〇〇『退けや餓鬼共』
族だと思われる頭[ヘッド]が廉達の側まで近付いて来て言い放った。
廉「わい等が退く理由はなんや?」
族員A『じゃあかしいわ。黙って退けやガキャ」
‐ズドッ クシャ ガッ ガッ ガッ‐
廉は割って入って来た族員Aの腹に前蹴りをかまし腹を抱えて蹲[ウズクマ]る族員Aの髪を掴み顔に三度膝蹴りを入れ掴んで居た髪を放した。
廉「自分頭やろ。ちゃんと仕付けとけや……で退く理由はなんや」
あっという間に空気を変えた廉だったがただ一人流されず冷静な顔で立って居る男が居た。
〇〇『すまんな。血の気が多いんやこのアホ。まあ一応副なんやけどな』
廉が一瞬でシバき倒した族員Aは何と副総長だったのだ。他の族員が驚きを隠せないのはその為だったのだ。
廉「せやからなんや?やる言うんやったら手加減せえへんで」
〇〇『ハハハハハハ。やらへんよ。こんだけ人数居たって歯が立たへんやろうしな。たった4人に潰されてしもうたら生き恥もええ所や』
廉「何で歯が立たへんと思うんや?」
〇〇『野暮な事聞きおるな。……さっき手加減ちゅうより50%も出してへんやろ。そない奴に勝てると思わんやろ』
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