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それから数日後、刃は城に戻ると智に声をかけて灯哉の自室に入ると自身が調べて来たことを二人に告げる。
・彼女の名前が咲月(さつき)と言うこと。
・一緒に連れていた少女は雪(ゆき)といい、咲月の娘であること。
・しかし、夫の存在は確認出来なかったこと。
・城下街の北の外れに住んでいること。
一つ一つの報告を灯哉は食い入るように聞きながら一喜一憂していたが、彼女が住んでいる場所を聞いて灯哉と隣にいた智の表情が一気に固くなる。
「本当に北の外れなのか?」
「間違いないで」
灯哉の確認にも刃はあっさりと頷く。
「北の外れに人が住まう場所はない…それはお前もわかっているはずだ」
「あぁわかっとる」
城下街の北の外れ…そこには民家等は無く険しい山がそびえ立ち、夜になれば獣の声が響くいまだに管理の行き届いていない地区であり…それ故、様々な噂が絶えない場所である。
それを踏まえて智が問いかけてくる言葉にも刃はまた頷く。
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