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京樺は灯哉の部屋に許可を得て入ると真琴を紹介する。
「本日より灯哉様の身の回りのお世話をすることになった真琴です。よろしくお願いしますね」
隣で真琴が頭を下げる。
「あぁ…よろしく頼む…」
心ここに在らず。といった感じの灯哉を京樺は不審に思いながらも真琴を連れて灯哉の部屋を出ると、城内の間取りや仕事について教えると他の人間にも紹介して回る。
そうこうしている内に日も傾き始めたので、真琴をこれから過ごす部屋に送って京樺もまた自分の仕事に移る。
京樺がお庭番の詰め所に戻るとそこには椿姫と桜姫が二人で話をしていたが、京樺が入って来たことに気付いた椿姫が京樺に話しかける。
「あっ京樺姉、刃兄が帰って来たってほんと?」
「えぇ、本当ですよ。ついさっき会いましたから」
京樺の返事を聞いた二人は顔を合わせるとウンと頷いて立ち上がると「ちょっと出て来るね」と言って詰め所を飛び出す。
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