21人が本棚に入れています
本棚に追加
二人は小走り…といってもかなり速いペースで走りながら目的地へ向かう。
多分、あそこにいる。
そう確信があるように迷い無く二人は急ぎ、二人が向かった先には本当に刃がいた。
しかし、二人が考えていたのとは少し状況が違っていた。
「椿姉…あれって…」
「うん…」
そこには刃と…つい先程、京樺に紹介されたばかりの真琴が二人で話をしていた。
それを二人は茂みに身を潜めるように身体を屈めて様子を伺う。
「自分…………やろ?」
「………貴方がいるなんて…」
「……たら………あかん……」
「今は………」
(うぅ椿姉…肝心なところが聞き取れないよぅ)
(ちょっと遠いけど…これ以上は…)
少し距離があるために言葉の端々しか聞き取ることが出来なくてもどかしいのだか、刃の感覚の鋭さをよく知る二人はこれ以上近寄ることも出来ずにヤキモキしながら刃達を見続け内に刃達の会話が終わって真琴がその場を後にすると、刃は二人がいる方に身体を向ける。
最初のコメントを投稿しよう!