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「あっ忘れてました。刃兄にちょっと稽古付けてもらおうと思って」
「そうそう。刃ちゃん覚悟してね」
椿姫の言葉に桜姫も思い出したように自分の武器を取り出して刃と距離をとる。
一方、刃は…
「別に構わんけど…桜、自分…やる気満々やんけ」
明らかに稽古に見えない気合いが入っている桜姫を見て呆れながらも刃は自分の武器を取り出す。
椿姫は身の丈近い大刀。
桜姫が構えるのもやはり超重武器である長槍。
外見からは似つかわしくない武器をそれぞれが構えるの見ながら刃は取り出した手甲を付けてコンコンと合わせる。
「さっ…やるか」
そう告げた直後、刃がふと空を見上げると何かを見つける。
「すまんなぁ…行かなあかんみたいやわ。また今度やろうな」
そう言うと二人の返事を待たずに刃はその場から消える。
「………」
「……逃げられた」
桜姫が悔しそうに言葉を漏らすがあまりの展開に椿姫も声をかけることも出来ないまま…二人は立ち尽くした。
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