序章

4/9
前へ
/126ページ
次へ
そして花見の当日。 灯哉はお庭番のみんなと一緒に近くの山に向かっていた。 「楽しみだ~。ねっ桜(おう)」 「うんっ。す~っごい楽しみだね椿姫(つばき)姉」 仲良く並んで歩く椿姫と桜姫(おうき)。 お庭番の中でも特に仲の良い二人は本当の姉妹のようにいつも共に行動していて、任務に就く時も同じように二人一組で考えられることが多かった。 「自分等~浮かれ過ぎてこけなや」 そんな二人に刃がひらひらと手を振りながら声をかける。 「は~い。気をつけてま~す」 「こけたりなんかしないも~ん」 二人のお目付け役でもある刃に二人は気軽に返事をする。 二人が任務の時はかなりの確率で刃が指示役についていたので、二人もまた慣れたものである。 刃もまた「そうか~」っと簡単に返事をすると他の面々にも視線を向けてあれこれと他愛もない会話をしたりして場を和ませる。
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加