序章

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「さっ…着いたな」 やはりみんなで会話しながらだったせいか、随分と早く着いた感じがしながら灯哉が言うとみんなも荷物を下ろして腰をおろせるように支度を始める。 ほんの数分後にはもうそこは立派な花見会場となっていた。 そこにみんな思い思いに腰を下ろすと弁当を広げてわいわいと穏やかな時間を過ごす。 梅の花も綺麗に開き紅と白のコントラストが美しい。 灯哉は智と刃の三人で花を見ながら盃を傾ける。 「来て良かったな…花が綺麗だ」 「あぁ…悪くはない」 「そうそう。みんなも楽しんどるしな。こういうのは大賛成や」 口々に言うと揃って盃を傾け…智が刃に慌てて声をかける。 「刃…盃を見せ「気のせいや」てみろ」 智の言葉に被せるように刃は言うとグイッと盃を煽ると盃をシュッと後ろの椿姫達の所に飛ばして証拠を隠滅する。
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