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「お前…さ「水だ」けじゃな…」
またも言葉を被せる刃。どうあっても水で押し通すと言う堅い決意さえ感じられる言葉に智も言葉に詰まる。
「何をやってるんですか?もう…」
後ろから唐突に声をかけられた智と刃が振り返るとそこには二十歳を過ぎた頃の女性が盃を持って立っている。
「あぁ…京樺(きょうか)か…」
「京樺か…じゃありません。何をつまらない決意を固めてるんですか」
京樺と呼ばれた女性は呆れたように言うと盃を刃に手渡す。
「いや、だってなぁ…花見に来て水を飲む堅い奴がいるんやから…なぁ灯哉?」
そう言って刃が灯哉の方を向くと…
「綺麗だ…」
灯哉はほうけた表情でぽつりと呟きながら遠くに視線を送っていた。
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