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「 奈恵の名前はもう聞きたくなかったかもしれないけど、話しておかなきゃと思った 」
「… 」
指先で編み目に触れながら、穴があくほどに夕弥を女性に変貌させたかのような不二子さんという人から目線が離れなかった。
「俺ね、ずっと、一人で生きる事を望んでた 」
「 え?」
脚を組むと背もたれに両腕をかけて大きな溜息を落とした。
「女関係で手こずるなんて煩わしい、面倒くさい、自分のペースを乱されたくない。まさか自分が恋するなんて微塵も予想してなかったんだ。この誤算は正直大きい 」
「…誤算? 」
「え? 」
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