俺の困った幼馴染み

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な、なんだこの味は。 色んなフルーツの味が互いの悪いところを引き立てている。そしてほのかに甘い味がする。どうやらサイダーの炭酸が抜けて、砂糖水になったからだろう。 何故だ……なぜこんなにも涙が溢れてくるんだ。 マジィからだよ!! 作ってもらってこんなこと言うのも何だけど、なんだよこの味信じらんね!! もうこんなの人が食うものじゃないからね。普通に見えたイモや肉は生焼けだし。カレーの味はさっぱりしないで、フルーツの味しかしない!!最悪だよ!!どうやったらこんなのが作れるのか知りたいね。尊敬するよ夏樹の事。 俺が心の中でこの料理を罵倒していると、夏樹が心配そうに聞いてきた。 「もしかして美味しくなかった?」 や、やめろよ。そんな今にも泣きそうな目で見てくるんじゃねぇよ。 「そ、そんな事ないぞ。美味すぎて思考停止してただけだ」 「本当?良かったー。味見してないから不安だったんだよ」 うん、嬉しそうな顔している所悪いがこれだけは言わせてくれ。味見しろよ!! 「どんどん食べてね。結構余ってるから」 ハハハハ、嘘は身を滅ぼすってか。 俺はその後気合いで食べ進め、ついでにおかわりをした。 食べ終わったころには全身汗だくで、今にも倒れそうな感じだ。
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