俺の困った幼馴染み

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カレーを食い終わった俺は夏樹を見ている。いや正確には夏樹のカレーを見ているだな。 何故かって?それはな……全然減ってないんだよ。一口もカレーを食べないで、ずっと俺が食ってるのを見てただけなんだよ。 何でだろ?ちょっと聞いてみるか。 「なぁ夏樹。何でカレー食わないんだ?」 俺がそう聞くと、今まで黙って座っていた夏樹が喋り出した。 「うーん……何か頭がボーッとして食欲が無いんだよね」 ふーん。いつも食欲旺盛な夏樹からは信じられない言葉だな。つーかその症状風邪じゃないのか? そう思った俺は立ち上がって、救急箱から体温計を取り出して夏樹に渡した。 「ん?何これ」 「お前は目が悪いのか?体温計だろうが」 「いや、そう言うことじゃなくてさ何で私にくれたの?」 は?こいつは風邪の症状がわからないのか? 「今夏樹が言った症状はな、風邪の可能性があるから、それで熱を計ってみろって事だ」 俺がそう言っても夏樹はボーッとしていて、俺の言葉が理解できてるのかも怪しい。 「おい、俺の言葉理解できたか?」 そう聞いても反応無し。 「しょーがないな」 俺は立ち上がって、向かいにいる夏樹に近づいていく。そして夏樹から体温計を奪い取り耳元で囁く。 「そんなにボーッとしてると、俺が体温計入れちゃうぞ」
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