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俺はそう言ってから10秒間ぐらい待っていたのだが、夏樹からの反応はなし。
しょーがないな。
俺は夏樹の脇を上にソーッと上げて体温計を挟み込んだ。
しばらくそのままの体勢で待っていると、ピピピと機械音がなって終了したという事を知らせる。
「さーてと、熱は何度かな?」
俺は体温計を抜き取り表示を見る。
「37.8か。完璧に風邪ひいたなこいつ」
まだ夏樹はボーッとしている。
「おい、夏樹聞こえるか」
俺は夏樹の傍で声をかけたり、目の前で手を振ってみたり、ついでに蜘蛛のおもちゃを投げつけてみたりしたのだが夏樹は反応しない。
「おいおいこいつ本当に大丈夫か?つーかさっきまではあんなに元気だったのに、いきなりこんなになるなんてあり得るのかよ」
独り言って悲しいね。さすがにこのままにしておくわけにはいかないよな。
俺は夏樹の腕を俺の肩に乗せ俺の部屋に連れて行く。
「はぁー、疲れた」
夏樹は軽いとはいえ、階段を上らせるのは結構きつかったぞ。
部屋にたどり着いた俺は夏樹をベッドに置いて布団をかけた。
そういえば熱さまシートどっかにあったな。探してくるか。
「夏樹俺ちょっと熱さまシート探してくるから、待ってろよ」
今度は俺の言葉に反応した夏樹は頷いた。
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