俺の困った幼馴染み

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えーと熱さまシートは……っと。確か救急箱の中に入ってたよな。 俺は救急箱を棚から降ろして中を確認する。 おっ、あったあった。速く持って行ってやるか。 部屋に戻ろうとした俺は、ある事を思い出す。 そういえばあいつ夕飯何も食ってないよな。……しょーがないお粥でも作ってやるか。 俺は台所に立ち、土鍋にご飯を入れて水を入れる。そして出来上がる直前に卵を入れれば、卵粥の完成だ。 うん、我ながら良い出来栄えだ。つーか……夏樹の料理見た後だと何でも美味しそうにに見えるな。 速く持っていくか。 俺は階段を上がって自分の部屋の扉を開けた。するとベッドには夏樹の姿は見えずに、なにやら普段使ってないタンスの中を見ている。 「おい、何してるんだ?」 俺はお粥をテーブルの上に置いてから夏樹にそう尋ねた。 すると夏樹はビクッとして俺の方に振り向いた。 「べ、別に何もしてないよ」 怪しいな。絶対何か探してただろ。もしかしてこいつ……。 「本当に何もしてないのか?」 「本当に本当」 「言っとくけどそこに、いかがわしい本は隠してないぞ」 「えー?じゃあどこに……」 夏樹はそこまで言って、しまった!というような顔になった。 やっぱりこいつはそういう本を探してたんだな。つーか元気じゃん!
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