俺の困った幼馴染み

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俺はとっさに夏樹の体を支える。顔を覗き込んでみると、息が荒く額が熱い。 うーん……やっぱり風邪直ってなかったのかよ。つーか元気になったり、元気じゃなくなったり忙しい奴だな。 俺はしょうがないので夏樹を抱いてベッドにもう一度寝かした。 「おい、夏樹。少しは食わないと治んないぞ」 俺はレンゲにお粥をすくって、夏樹の口元へと運んでゆく。夏樹は素直に口に入れたのだが、すぐに吹き出した。 「うわっ!いきなりどうしたんだよ。夏樹」 「武ちゃんこのお粥熱いよ。少し冷ましてよ」 ああー!めんどくさい奴だな。うちわは何所にしまったかな。 「フーフーして冷ましてよ」 夏樹がうるんだ目で俺を見てくる。これは反則だろ!ときめくわ! 「それは遠慮する!」 俺はきっぱり断ってから、もう一度うちわを探し始めた。 あった!これで大丈夫だろ。 うちわで何回も仰いだため、お粥が冷まったのでもう一度夏樹の口に運ぶ。 これで文句ないだろ!! 俺がそう思うと、夏樹はまたもや盛大に口からお粥を吹き出した。 なんなのこいつ。
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