俺の困った幼馴染み

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「今度は何だよ」 本当に呆れるわ。つーかめんどい。 「今度は冷たいよ」 ほんとになんなのこいつ。文句が多すぎだろ。つーか二回も吹き出すから、俺のベッドお粥まみれじゃないか。 「文句言うなら帰れ。せっかく作ったお粥吹き出しやがって」 「ごめん、今度はちゃんと食べるから」 しょうがないな。 「ほら。吹き出すなよ」 俺はもう一回夏樹の口に運ぶ。うん、今思ったけど何で俺は夏樹に食わせてるんだろうか。自分で食べさせるか。 「ほら、ちゃんと自分で持って食えよ」 この野郎。茶碗を持たせようとしているのに、手を出そうともしねぇ。 ほんとなんなのこいつ。 あっ、今ので3回目だな。この言葉いうの。 「はぁー、ほらちゃんと食え」 俺はしょうがなく、また夏樹の口に運ぶ。それを何回か繰り返すと、お粥は奇麗さっぱり無くなった。 「ふーん、食欲戻ったんだな」 「うん、大分回復したみたいだよ」 「そうかそうか、じゃあ帰れ」 俺は扉を指差して帰るように促す。だが夏樹は俺の言葉を無視して布団にもぐりこみやがった。
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