俺の困った幼馴染み

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「何してるんだよ!速く帰れよ」 俺は布団を力一杯奪い取ろうとするが、全く奪い取れる気にならない。 だって全然ビクともしないんだもん。 男として傷つくわ。 「お前がそこをどいてくれなきゃ、俺はどこで寝ればいいんだよ!」 力ずくで奪うのをやめた俺は、言葉で攻めることにした。 おっやっと反応したな。なになに?人差し指で床を指しているな。 この意味はなんだ。もしかして床で寝ろってか。 「俺に床で寝ろっていうのかよ」 夏樹は顔を出して頷く。 ほほー、床で寝ろってか。布団も何も敷いていない冷たい床で寝ろってか。いい度胸してんなこいつ。 「こんな場所で寝たら僕風邪ひいちゃう」 俺はできるだけ甘い声でそう言ったのだが、夏樹は無反応だ。 顔から火がでるほどはずかしいー! なんてバカやってる場合じゃないんだよね。うん。 まぁ、この日は結局夏樹から布団を奪えずに冷たい床で寝ました。
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