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――朝――
「ふぁー……もう朝かよ。痛い痛い!体痛い」
俺が起き上がろうと体に力を入れた瞬間に、全身に鈍い痛みが走る。
原因は、布団も何も敷いていない床の上に寝たせいだろう。
「くっそー、こいつ人のベッドの上で安眠しやがって。ムカつくな」
夏樹がベッドの上でスヤスヤと寝ている姿にイラつきながらも、一階に降りる。
今日は土曜日だからゆっくりできるな。
俺が居間にあるソファでくつろいでいると、呼び鈴が鳴った。
何だよこんな朝早くから。ていうか今何時だ?……8時か。まだ速いよな。
あーあー。呼び鈴うるさい。そんなに何回も鳴らすなよな。
「はいはい。今出ますよ」
俺は玄関の鍵を開けて、扉を開いた。
「よっ!武憲。おはようさん」
俺は勢いよく扉を閉めて鍵をかけた。
朝から大輔の幻覚を見るなんてやばいな。もう一回寝ようかな。
俺が二階にある自室に戻ろうとした瞬間に、鍵が開くようなカチャッという音がした。
俺が振り返ると笑顔で扉を開いている大輔の姿があった。
「何で扉閉めるんだよ。せっかく遊びに誘いに来たのによ」
なにーーーー!!その能力は普通ヒロインが持っているものだろ!?
いじられキャラのお前が持ってても意味がないだろうが!!
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