11790人が本棚に入れています
本棚に追加
/433ページ
とにかくやばい。今この家にいられて、夏樹を見られたら間違いなく誤解される。
俺はマッハの如き速さで大輔に近づき、外に押しだそうとする。
「な……なにするんだよ……このやろう」
だが大輔も扉にへばりついていて、なかなかとれない。
くっそーこいつ、本当にやばいって。
「明日遊んでやるから、今日は帰ってくれ」
「いやだ!!今日遊ぶんだもん!」
「駄々っ子かお前は!!」
俺たちが玄関で熾烈な争いをしていると、階段から足音が聞こえてきた。
「なによ武ちゃん。朝からうるさいよ」
あーあ終わったよ。タイミング悪い所で降りてくんなよ夏樹。
俺が大輔を外に押し出すのをやめたので、当然大輔は家の中に入ってくる。
「うほっ!夏樹ちゃんその格好どうしたの?」
うほってお前どんなリアクションだよ。
夏樹を見てみると、いい感じにはだけた制服に、まだ眠いのか目をこすっている姿があった。
そっかこいつ制服のまま寝たんだな。
「そうか、だからお前は家に入れてくれなかったんだな」
何に納得したんだこいつ。
「お前は何が理由だと思ってるんだ?」
「またまた、照れるなよ。上ったんだろ?」
大輔は親指をグッと立ててそう言ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!