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「上ったって何をだよ」
大体答えは予想できるけどね。
「またまた、照れるなって。大人の階段を上ったんだろ?」
「いやいやいやいや!俺はそんなの断じて上ってない。神に誓っても上ってないぞ」
「どう?夏樹ちゃん。やっぱり武憲激しかった?」
てんめぇーーー!!なんて事を聞いてやがる!!
「うん……すっごく」
夏樹ーー!!変なこと言うな!ほら見ろ、目の前にいる馬鹿がニヤけてんじゃねぇかよ!!
「だから恥ずかしがるなって」
「黙れや!」
こうなったら記憶をなくすまで、殴り続けてやる。
こうなったら記憶を消すしかないな。
俺は大輔の頭めがけて拳を繰り出した。
だがしかし、大輔は簡単に俺の拳を避け、なおかつどこから取り出したかわからないスピーカーを持っている。
「お……お前はそれで何するつもりなんだ?」
「それはな……こうするためだ!」
大輔は外に飛び出し、スピーカーで拡大した声で叫びながら走り始めた。
「ご町内の皆様!ご報告がございます。沖田武憲君がついに大人の階段をのぼりました。つきましては拍手をお願いします」
……あのやろー。ぶっ殺してやる。
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