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「出てこないね」
レストランの前に張り込んで既に30分が経過した。
雪野は雰囲気からなのか、片手にアンパンを持っている。
雪野怪しさ抜群だな。つーかアンパンなんてどこから持ってきた。
あれか?そのコートの中か?四次元空間にでも繋がってるのか?
それにしても遅いな夏樹。こうなったら……。
「突っ込むか」
「何所に?」
雪野がそう聞いてきたが、今の俺には届かない。
俺はそこらへんに捨ててあったダンボールを、四角にしてその中に入った。
「わー、あのゲームみたいだね」
うわ、ちょ、無理やり入ってくんなよな雪野。
「ちょっ狭いって」
「いいからいいから」
「しょうがないな」
このまま言い合っていても、時間の無駄なので俺は進んでいく。
ちょうど目線の高さに穴があり、前が見えなくなることもないだろう。
「よーしこのまま突っ込むぞ雪野」
「おー!」
勢いよく突っ込んだ所、店員にダンボールを取り上げられ、店の中にいた全員からの視線を浴びる。
は……はずかしぃーー!!
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